2008年06月04日


200805281156000.jpg山本裕次郎30歳。6月1日バトラーツ北千住大会にてデビューを果たす。試合後、控え室で俺の顔を見るなり、感極まり号泣した『よかったな。やっとたどり着いたね・・』『はい・・まさか、まさか、リングにあがれるなんて・・』山本は10年前、プロレスラーになる事を夢に抱き、岡山から一人、上京した。アニマル浜口ジムでトレーニングを積むものの、体が小さい為、またコネクションもなく、彼を受け入れる団体はなかった。彼は総合格闘技の世界に身を投じた。いつも心の片隅にプロレスラーへの夢と尊敬を抱きながら。いつしかZESTでもレギュラーとして認められるようになったが、彼の心中には、切ないくらいのプロレスラーへの憧れがあった。
人の縁とは不思議なもの。山本はタカ・クノウと出会った。ちょうどタカ選手が石川と知り合い、バトラーツ道場に通い始めた頃だった。タカ選手は何かを感じたのか、山本をつれてきた。俺も二つ返事でOKした。山本は真剣に練習についてきた。その頃、俺は山本の思いを知らないまま、彼に興味を持った。『山本、バトラーツに上がるか?』彼は土下座せんばかりに恐縮した。タカ選手が彼の思いを代弁してくれた。俺の直感は間違っていなかった。『よし、裕次郎。6月1日、デビュー戦だ。』山本は深々と頭を下げた・・・。デビュー戦、最初は戸惑いがあった彼は、途中何かのきっかけでようやく極度の緊張から解き放たれ、思い切りのいい張り手を放った。あとはいつも通りの山本の動き始めだった。俺は安心した。しかし矢野もだてに経験を積んでない。激しい闘いの中、素晴らしいコントロールで山本を捕獲した。サスガだ、矢野ベイベー。強くなったな!いいぞ!俺は控え室にもどり、泣きじゃくる山本の肩を抱いた。『さあ、これからだ。夢は始まったばかりだ。おまえ
は遅れてきたUになれ。』何度も頷く山本の横で、タカ選手が、嬉しそうに微笑んだ。
posted by 石川雄規 at 01:44 | 日記
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